2023年3月の日記

・2023.03.31

小さな計画をすることは自分を生かしてくれるなあと思う、本当に!4月から始めようと思っていることを考えると気持ちが軽くなる。晃生の部屋に貼ってあるジョナス・メカスの言葉も見ると気持ちが軽くなる。

ここ数年「SNSが苦手」という気持ちが強まって、自分なりの距離感を見つけるためにずっと模索していたのだけれど、最近はちょうど折り合いがついている感じ。ひさしぶりにInstagramにフィードに投稿して、ひさしぶりに高校時代からの友達と話す。高校生のときは5歳上の彼女のことを自分とは全然違う大人だと感じていたけれど、35歳と40歳じゃあ全然変わらないね。高校生の頃、服がだいすきだったから、アパレルの仕事をしていた彼女と一緒に買い物に行ったり、服をもらったりしてそれがすごくうれしかった。買い物行ったときに「ピンときて迷ったら買ったほうがいいんだよ!」といつも言っていた、彼女は。なつかしいな。

・2023.03.30

晴れているだけで少しだけ調子がよくなる。引き続きだいぶ胃がしんどくて薬にかなり助けられている状態で、英会話に行くか悩んだけれど、薬が効いている間に行くことに。今までで一番スムーズに話せてた、と言われた。うれしい。

・2023.03.29

朝4時半、体験したことがない腹痛でがばっと起きる。冷や汗。トイレにいく感じの腹痛ではなくて、どうしたらいいかわからずベッドの中でさまざま体勢を変える。腸に関しては安静にする期間を終えたはずだから関係ないと思うけれど、いったいなんなのか。晃生にだいぶ助けられた。

8時台からやっている病院を見つけて、駆け込む。先生に見てもらったら胃腸炎、でももしかしたらお寿司食べたんだったならアニサキスかも、と言われる。薬をもらって帰宅。帰ってる途中で歩けなくなって、立ち止まって薬を流し込む。ここ数日、食べたり飲んだりできるようになったことで調子を乗ってアルコールや寿司などを食べてしまったことを後悔した。毎日お粥とお茶で過ごしていたらこんなことにならなかったのだろうか。でもこれから一生お粥とお茶なのか。

薬が効いている間はなんとか立ち上がれるので、zoomのミーティングは画面オフで参加することにした。いつ体調が安定するのか、と思うと本当に不安。

最近はうれしいこともたのしいこともたくさんあったはずなのに、幸せを感じる余裕が少なくなってしまっているように感じる。4月からどうにかしよう。

・2023.03.28

朝から落ち込みが強い。天気が不安定なせいかな。

夜、ふたたび浅草へ。木馬亭で明日のアーの『親切な寿司屋が信じた「3000万あるんですけど会ってもらえますか?」』。今までとは異なり新喜劇形式だけれど、相変わらずメタバースとかLINE詐欺とか社会的な要素もお馴染みのネタも散りばめられつつ、圧倒的なくだらなさで走るのがいい。全てを攪拌する装置としての全自動芝刈り機、大きな闇がわけわからんドーベルマン、みたいな世界に触れて、朝の落ち込みが割とどうでもよくなる。7Aさんかわいかった。寿司を食べたくなり軽く寿司を食べて帰宅。

・2023.03.27

代々木で取材。記事にするのがすごくたのしみな取材になった。撮影で奇跡みたいな瞬間が何回かあった。取材後、二日ぶりのきみちゃんと中華を食べて瓶ビールを軽く飲んで帰宅。いつかきみちゃんと毎日のように飲んでいた日々を思い出して懐かしくなる。

・2023.03.26

浅草で晃生やその友達たちと遊ぶ。行きつけだという競馬中継をずっとしている韓国料理のお店、オンマがたくさん食べてよ、とあれこれ出してくれる。オンマの妹さんもカウンターの横に座ってずっと飲んでいる。その横には酔いつぶれた人たち、昨日からずっと飲んでいて今に至るとのこと。混沌とした状況のなかでのカラオケ、久しぶりの飲酒、たのしい一日だった。

・2023.03.25

雨がしとしと、また電気をつけっぱなしで寝てた。夢の中で、死んだら有料サーバーにお金が払えなくなるんだから、永久に残りそうな無料サーバーにサイトを作ってアップしたほうがいいんじゃないか?という議論をして、必死にサーバーを探していた。何をやってるのか。

今日はいろんな人と会った日だった。文月さんとごはん、ふらっと入ったメキシコ料理屋で。今日からお酒が飲めるようになるので早速昼からお酒を頼んでしまう。新しい生活の話、また松本に行きたい。夜は愛さん・きみちゃんとインド富士子へ。ノアさんともひさびさに再会してうれしい。わたしだけが悩んでいるのかな?と思っていたことを二人と共有できて、なんだか最近ささくれだっていた心が少しずつ撫でつけられるような時間だった。

・2023.03.24

ややパニック気味になってしまっていて調子がよくない。心を落ち着かせて仕事をしていたら少しよくなる。眠る前に井戸川射子さんの『この世の喜びよ』を読む。胸が締め付けられるようで、続きが読めなくなるほど感動して一度本を閉じる。続きを読むのがもったいないと思いながら本をパタリと閉じるときの幸せ、というのは読書における代え難い体験だなあと感じる。わたしは母になったことがないけれど、この本を読んでいる間は母になったような気持ちになる。同時に、娘として母に感じていた複雑な感情を思い出したり、今の立場から眺め直したりしている。スーパーで起きた、偶然の煌めき。リアリティのある会話、頭の中で右往左往するさまざまな感情や考え、取りこぼしてはいけないものを取りこぼさないというか、その感じに引き込まれる。まだ読み終えていないけれど、絶対また読み返そう、と思った。

『ここはとても速い川』は、実はこの本ほど入り込むことができなかった。なぜなのだろうと考えていたけれど、わたしが関西弁にそこまで触れてこられていないこと、それ以上に「小学生の男子」と話したことがほぼないこと(小学校から女子校で幼馴染とかもいなかったから、「小学生の男子」は世界で一番未知な存在だ)があるのかもしれない。ということを考えていた。

・2023.03.23

公共とデザインさんによる『産ま(み)むめも』展へ。体調を崩していたせいでなかなかいけず、隙間時間で行くことになってしまったけれど、すごくいい展示だった。「産む」に関する価値観を問いなおすことをテーマに行われたワークショップのプロセスはもちろん、そのアウトプットの手法のユニークさ、展示の見せ方も含め学ぶ部分も大きく、一人で行ったけれど誰かと行ってあれこれ話しながら観るのも楽しそうだった。

下北沢のかわいい台湾料理屋さんでさとみさんとごはん。仕事でいろいろあっててんぱってしまい、おろおろしてしまったけれどさとみさんもごはんも優しかった。

今日は学びの足りなさに歯痒い思いをする出来事があった。反省して前に進んでいくしかない。

・2023.03.22

収録とごはん会。おいしそうすぎるグリル、まだハムやベーコンなどの加工品は消化的に避けたほうがよさそうだったので2口だけ食べる。悔しい。おいしいごはんとお酒と共に人と話すということの幸せ、それを手放したくなくて、そのためにできることなら何でもしていこうという気持ち。

・2023.03.21

 

朝早めに起きて、白湯を飲みながらゆっくり仕事以外のことをする時間を取るのは結構いい。白湯を飲む習慣を新たにスタートしたのは、たまたまつけたテレビで朝晩2回の白湯は腸の調子をよくすると言っていたから。先週からは腸の調子がよければすべていい、みたいな感覚がある。一番に腸のことを優先してい生活している。わたしも変わったな。

休みだったので、表参道のあたりをぶらぶらしたり、薬膳鍋を食べたり。タイトルと予告編を観てとても惹かれて観に行った映画はあまり好みではなかった。いらないズームはそこに存在している人たちの意志を勝手に決めつける感じがするというか、生理的に嫌な感じがしてしまう。ホン・サンスのズームははっとするズームで好きなんだけれど、この違いはなんなんだろう。

・2023.03.20

引き続き体力がない。ちょっとした切除手術だったから不安視する必要はないと思うんだけれど、昨日病院に電話して「大丈夫です」と言われたのだから。お風呂に入れなかったりコーヒーが飲めなかったり、運動をしてはいけないとかそういう制限がいかにつらいのかを思い知る。近頃は自分のことでいっぱいいっぱいで、今社会で起きていることについてなかなか関心を持てていなくなってしまっているなあと感じる。

・2023.03.19

朝、身体のだるさと腸の不安定な感じが気になって仕方がない。今日は大学の友人の結婚式だったけれど、そもそもお酒が飲めないのと、消化がいいものしか食べてはいけないくて、さらにこの体調だと会場までたどり着くことも厳しいのではないかと思い、断念することにした。申し訳なさすぎる。体力をつけようと砧公園まで散歩へ。桜は意外とまだ咲いていなくって、まだ再来週くらいまでは持つのかな。家に帰って、休んでいるんだったらやろうと思っていたことが体力不足で何にもできなくって、かなり悲しい気持ちになる。なんでこんなにも「何もやれていない気がする」という気分にずっと駆られ続けているのだろうか、この感覚からいつか解き放たれるときは来るのかな。

夜、消化のいいものしか食べてはいけないわたしと喉が痛すぎる晃生のためにレシピを見ながらシチューを作って食べる。観れていなかったセリーヌ・シアマ『秘密の森のその向こう』、素晴らしい作品だった。母に対して、母らしい役割を押し付けていた自分の過去を思い出す。母もかつて娘だったこと、自分と同じような年齢のときがあったということ。たまに友人として母と出会っていたらどうだったんだろう、など映画を観ながら考えていた。前に晃生が「作品を観ているあいだに映画と直接関係のないことを考えられる作品はいい作品だよね」みたいなことを言っていて、最近それは本当にあるなあと思う。苦手だったり自分にとっての作品じゃないな、と思える作品を観ているときは「なんで苦手なんだろう」とかそういうことばっかり考えてるから。

・2023.03.18

健康であればすべて大丈夫だなあという気分。曇り空だけれど、二子玉川にでも出かけるか、というので着替えてバス停に向かった。雨が降ってきて、バスが全然こなくって、もう帰るか、と帰宅することにする。帰り道、チョコレートプリンが無性に食べたくなる。ぎゅっと濃いやつ。わたしは全然甘党じゃないので、自分の新たな欲求にびっくりする。腸にずっと存在していたものがいなくなったことで細胞が置き換わって、それによって自分自身も少しだけ変わったりすることもあるのだろうか…全然知らないけれどそんなことを考えてしまう。バス停まで歩いただけなのに、疲れ果ててしばらく眠ってしまった。高島鈴さんの本を読みながら、布団の中で安静にしていた。

・2023.03.17

朝5:30、目覚ましが鳴って起きる。少し日が延びてきたとはいえ、まだまだ暗い。こんなに早起きしたのは、数時間かけて下剤を飲まなくてはいけないからだ。今週、ちょっとした身体の異変があり、打ち合わせの合間をぬって病院にかけこんだところ、早めに検査できると安心ですねと言われて、初めての大腸の内視鏡検査を急遽行うことになった。

検査前の事前準備として自宅で下剤を飲む必要があり、モビプレップと書かれたビニル素材の大きな袋に水を入れて、下剤をつくる。途中で水かお茶を挟みながら、何杯も何杯も飲まなくてはいけない。それなりに覚悟していたものの、やっぱりおいしくはなかった。おいしくないものを何杯も飲むのは結構きつい。「梅風味です」と言われていたけれど、さすがに梅とは言えないのでは…? とぼやきながら、ひたすら飲む。途中でチェイサーのように飲んでいたあったか東方美人茶があまりにもおいしくって、お茶に対して尊い気持ちが湧いた。こういうときにTwitterで「モビプレップ」とか「内視鏡検査」とかで検索すると、同じような状況にいる人が結構いて、安心する。手元にあるリーフレットに書かれた象のお医者さんのイラストを眺めたり、漫画を読んだりしながら、トイレと自室を往復する数時間を過ごした。

11:00、病院に到着。検査着に着替えて点滴をつながれて、検査室に入り検査台の上でエビのような体勢で丸まる。名前と生年月日を言って、じゃあ始めていきますね、と言われたところまでは覚えていて、気づくと終わっていた。「全体的にきれいではありました、でも一個ポリープがあったので取っておきました!」という声ではっとする。わたしの腸には、小さいけれどそれなりに育ったポリープが存在していたようだった。ポリープはそのままにしてると癌になるものもあるらしく、検査で早めにとることが予防になるらしい。30代前半では健康診断で大腸の内視鏡検査を勧められることが少なく、あまりピンときていなかったけれど、このタイミングで検査を受けれてよかった。わたしは鎮静剤がよく効いていたのか痛みはゼロで(人によると思う)、こんなに負担が少ないのなら定期的に受けようという気持ちになった。前日から食事制限があったのに、手術後の関係でこれから一週間食べたいものを食べることができないことだけがつらいけれど。

この社会には、心も身体も当たり前に健康である、ということが求められる場所や状況などがあまりにも多すぎると感じる。でも、どんな人であっても常に、永続的に、完全に、健康な状態でいるのは難しいはずだ。「調子の悪さは隠して、どんなときでも健康に振る舞うべき」という考え方は、ときに誰かや何かを排除することになるのではないかと思う。誰もが調子がいい日もあれば調子が悪い日もあるし、人には言えないなにかしらの不調や苦しみを抱えているのかもしれない、目の前の人に対してそのような想像を持って接することを忘れないようにしたいし、できれば調子がいい日をなるべくつくっていきたい、と思う一日だった。(me and youのニュースレターより)

・2023.03.16

気持ちいい天気だけれど、体調が気になって仕方がなくて最悪だった。大きな不安が自分の背中にずしりと乗っていると呼吸も自然と浅くなるし、目の前もグレーがかって見える。時間が少しできたので、滞っていた仕事を少しだけ進めることができてすっきりした。仕事をするということはときに癒しになるように感じる。明日の検査に向けて、夜ごはんは鮭と白米と具なし味噌汁と具なし冷奴。具を入れてはいけないらしい。

・2023.03.15

いろいろ体調を推測しても仕方がない、と思うことで、少し落ち着いてきた。TOUTEN BOOKSでイベントがあるので、名古屋へ向かう。移動中、「がんばってよりも、がんばったね、つらかったね、と言われるほうがうれしいんだよ」と男子に熱弁している女子高生。そうだよね。

イベントはすごくよかった。一人ひとりの投げかけが膨らんだり、違う方に行ったり、また戻ってきたり、みたいな感じで進んでいく時間だった。終わった後に「自分との対話についても話して見たかった」という話を参加者の人として、たしかにそうだなあ、みんな自分とどのように話し合っているんだろう?と感じた。本当は泊まってゆっくり名古屋をまわりたかったけれど、調子的に厳しく、日帰りでそのまま帰宅。

・2023.03.14

新宿で打ち合わせ。何気なくトイレに行くと、生理じゃないのに血が出てて超焦る。そのあとの打ち合わせもうわの空で、必死に今すぐ行ける病院を探す。何件か電話して見つかって、診察したら「なるべく早めに検査を受けたほうがいいですね」ということで、急遽金曜に検査をすることにした。予定がたくさん入っていたけれど、一つひとつ調整の連絡をする。隙間をぬって、伊勢丹のHOUGAのポップアップへ。展示も新しいコレクションも素敵で、まなみさんと喋って元気が出た。気になっていた青のチェックのスカート、青色が鮮やかで試着したら元気が湧いてきたので購入することに。まなみさんありがとう。不安でいったん喫茶店に駆け込み、スマホで自分の症状について調べては不安が襲ってくる。トイレでちょっと泣いた。その後、ごはんに行くも体調が気になってややうわの空になってしまって、反省。自分が自分じゃいられないような感じが続く。

・2023.03.13

このあいだ教えてもらって買ったSEE SAWのヘアオイル、適当につけただけで髪質がぐっと柔らかくなって気持ちがいい。整体へ。

・2023.03.12

昨日は完全に飲みすぎたようで何もできず、ずっと布団にくるまっていた。テレビでYouTubeを適当に見る。昔のCMを見るのが好きだ。今よりも芸術性の高いCMも多くて、一方でジェンダー観としてはあまりにもひどいものも多く、変化を実感する。そういえば幼い頃、深夜に若い女性たちがたくさん出ているテレビ番組をやっていたよなあと思い、YouTubeでいろいろ検索して見ていた。ミニスカートで一人ずつゴルフのスイングをしていく女性たち、ツイスターゲームをしている女性たちを下のアングルから舐めるように撮影する男性たち。女性の身体があまりにも消費されすぎていてうんざりして画面を閉じた。

2023.03.11

KAATで行われている『掃除機』のことを本当に楽しみにしていて、だって岡田利規さん作、本谷有希子さん作で、フライヤーはアイコがデザインしてて、行くしかないだろうと思っていたのに、駅に着いたとき時間を1時間間違えていたことが発覚した。まじかよ。こういうミスをしやすいからこそしないように心がけていたはずなのに、すっかり15時だと思い込んでしまっていたのだ。やるせなさにホームで涙が出てくる。電車のホームで泣いた記憶が次々と甦り、ああわたしは本当に変わらないなあと虚しくなる。

アキオが吉方位アプリという謎のアプリを出してくれて、これで運気がよさそうな方面に行ってみよう、ということになる。アプリが差しているのは北千住の方面だったからそっちに行ってみた。道に数えられない程の飲み屋。天七という立ち飲みの串カツの店に行って、そのあとに友達に教えてもらった居酒屋へ。テレビではWBCをやってる。隣に座っていた夫婦2組に話しかけられて、話をしているうちにお酒が回ってきて、彼らがよく行くというお店に連れて行ってもらった。結構飲んでいたので何の話をしていたかほとんど覚えていないし、連絡先も交換したわけじゃないからまた会えるかわからないけれど、こういうふうに普段交わることがない人とたまたま出会って話したりして、というのは決して旅行先だけでなくてもできることだよなあと思う。そのあと親子でやっているスナックになだれ込んでカラオケ、これまたほとんど覚えていない。飲み過ぎて、どうやって帰ったかもほとんど覚えていないまま眠りについた。

・2023.03.10

二日間の旅行でだいぶ心も身体も癒されたのか、健やかに目覚めた。仕事の連絡が何人かからきてうれしい。夜はYouTubeでReal Estateのライブをみていて胸が締め付けられるような気持ちに。海外のフェスに行きたい…。

・2023.03.09

箱根旅行二日目。朝、外にある小さな滝の音で目が覚める。部屋にあったコーヒーミルでコーヒーをひいて、朝食のバイキングで食べたサラダのエシャロットのドレッシングがおいしかった…。つい朝を適当に過ごしてしまうけれど、朝が気持ちいいことは思った以上に重要な気がする。すぐそばにあったポーラ美術館に歩いて向かう。『部屋のみる展』という展示で、ピエール・ボナールからティルマンスまで、小さな家みたいな展示空間の中に並べられていた。ティルマンスの「静物、ボーン・エステート」という作品と同じように、窓際に並べられた植物やものたちが写し出されたティルマンスの作品がわたしの部屋のリビングにもあって、毎日過ごしている。コロナになったばかりのときに「2022Solidarity」というプロジェクトをやっていたときに買って、もうだいぶ部屋に馴染んでいる。何年も先もこの作品を見るとステイホームが始まった頃のことを思い出すんだろうな。

ロープウェイで大涌谷へ。ロープウェイっていっつもかなり怖い。この細い線が切れてしまったらどうなるんだろうという妄想を止めることができず、深呼吸をしながら噴煙が立ち込める谷を渡る。無事到着して名物の黒たまごを食べて、アイコと記念写真を撮って強風に凍えながらバスに乗って山を降りた。

箱根からロマンスカーに乗るのを待ってる間にいたカフェで、隣にいた外国人観光客の男女がひたすら手持ちのボードゲームで白熱の試合を繰り広げてたのがすごくよかった。持ち運べる二人でできるボードゲーム、わたしもほしい。

・2023.03.08

ずっと楽しみにしてたアイコとの箱根旅行。森の中にある静かなホテルで、部屋にある暖炉の火のぱちぱちを見つめたり、池を泳ぐ鴨を眺めながらコーヒーを飲んだり、時間になったら予約してたエステに行ったり、また時間が来たら予約してたコースの料理を食べたり…とじっくりとゆっくりした時間をたのしんだ。次の日に続く。

・2023.03.07

明日から旅行に行くのでなんとか終わらせないと、と根詰めて仕事。

自分の部屋やリビングに少しずつチューリップを。小さいときはチューリップって子供っぽいって勝手に思っていて好きじゃなかった。好きな花はなに?と言われてもうまく答えられなくて。ひまわりも今は好きだけど、当時は自分には眩しすぎると思って好きになれなかった。そんなことを思い出した。

・2023.03.06

区役所や銀行などをまわって、外でちょっと仕事してから帰った。春っぽくなってきた。

・2023.03.05

仕事二日目。前の会社にいたときに立ち上げたプロジェクトが気付くと3年目になっていて、自分の手からはだいぶもう離れてしまったけれど使われている資料とかには自分がディレクションをしていたときの名残とかもあって、なんだか感慨深い二日間だった。

・2023.03.04

オンラインイベントの収録の仕事で終日新宿。帰り道につくねピーマンが食べれる店で晃生と飲む。続けることと老いること、変わること変わらないこと。最近はずっとそういうことばかり考えている。

オンラインでとっても好みの古着屋さんを見つけて、購入したらさっそく届いてた。値段はとてもお手頃だったのに、あまりにも状態がいいのと、すごく丁寧に梱包されててうれしくなって、先月末に考えていた感想を伝えることをちゃんとやってみようと思って感想のメールを送る。

2023.03.03

朝目覚めてから、みんなどれくらい布団にとどまっているんだろう。わたしは本当に長くとどまっている。布団から這い出る理由がない限り、そのふかふかして安心できる場所にとどまり続けたいと思ってしまう。わたしは布団から出社することだってできるリモートワーカーだから(さすがにめったなことがない限りしていないけれど…)、布団から出るには強い意思が必要だ。朝起きるための起動装置をいくつも考えておかなくてはいけない。

昨日の夜、めずらしく「明日は晴れそうだから、早めの昼ごはんにラーメンを食べに行きたい」と思って、ラーメンのことを考えながら眠りについた。わたしはおいしいものは大好きだけど、これを食べたい、この店に行きたい、という欲求が比較的薄めで、代わりに食べたくないものはいくつか思いつくので、いつも消去法で食べるものを決めることが多い。けれど昨日の夜は食べたいものがしっかりと浮かんで、しかもそれは外に出ることも促してくれるものなので、ラッキー、という気持ちになった。

外はぶあついコートなしで出かけられる天気で、つい最近までぐるぐるマフラーを巻いていたのが嘘みたい。駅前に近づくと、お茶屋さんからほうじ茶の香りが漂ってくる。外に出るっていいな。わたしは仕事がある平日、用事がないのに外に出かけるのもなかなか苦手で、外に出かけるための起動装置もいくつも必要だ。最近はふらりと出かける練習や、少しだけ寄り道をする練習をしているくらい。

いつも並んでいるラーメン屋に今日はすんなり入れて、ワンタンが乗った醤油ラーメンが寝起きの身体に流れ込んでくる。なぜかすごく綺麗な水のように感じた。食べたかったものを食べるのは、消去法で食べるときよりもずっと気持ちよさがあるなあ。いつも行く花屋さんでチューリップを買って、いつも行くコーヒー屋さんでアイスラテを買って帰った。

朝起きるための起動装置として、やっぱりもっとごはんのことを真剣に考えたほうがいいのかもしれない。東欧の伝統のスープであるパプリカがたっぷり入った料理「グヤーシュ」のことを知って、明日朝起きたらスープをつくろう、と思いながら眠った日のことも思い出す。

たまたま見つけたNHK BSのグルメドキュメンタリー「突撃!ストリートシェフ」という番組をいくつか観ている。さまざまな都市を訪ねてその街の料理を紹介していく番組だけれど、歴史背景をしっかり伝える構成が印象的で、プデチゲと朝鮮戦争、脱北者のシェフと平壌冷麺、トルコとクルド料理やクリミア・タタールの歴史など、料理からそこで暮らす人たちの姿や歴史を辿ることができる。そのなかのチェコ・プラハの回は、ロシアとの戦争がきっかけで祖国を離れたジョージア出身のシェフなどから東欧の国々の歴史も知ることができて、そのなかでハンガリー出身のシェフがつくっていたのがグヤーシュだったのだ。本物とは全然違うかもしれないけれど、歴史を知ってからつくったスープを食べる朝は、いつもと違う朝になった。

このあいだ、『わたしのために、世界を学びはじめる勉強会』で藤原辰史さんのお話を伺ってから、食から歴史を知ることへの興味が高まり、またこれまでヨーロッパというと西欧中心に無意識に捉えてしまっていた部分があることを自覚し、東欧やその周辺の歴史をもっと知りたいという気持ちが高まっている。イリナ・グリゴレさんの『優しい地獄』を読んでルーマニアの歴史に触れたことも大きいかもしれない。

日々、必ず行っている「食べる」という行為に対して、ついぼんやり通り過ぎてしまいがちだけれど、少し意識を向けてみるだけで変わっていくものがたくさんありそうだなあ、と感じる。疲れているとつい食事もおざなりになるけれど、ずっとパソコンに向かってる自分にとっては料理をするというのは手を動かしてなにかをつくり出す唯一の活動とも言えるわけだし、一食一食をもっと噛み締めていきたい。(me and youのニュースレターより)

・2023.03.02

あまり深い眠りが得られていないのか、急に春めいてきているせいか、頭がぼんやりする。何の服を着たらいいのかもわからないし。とりあえず、冬ものの毛布をしまおうか、と思って洗濯機にかけたりした。

英会話、今日はWhat do you most care about?というテーマで、自分がなぜフェミニズムに関心を持つようになったかや、複合的な差別の存在、現代の見下しや嘲笑がはびこるSNS・マスメディアの問題について短めに書いたエッセイを持っていって、先生からそれに対していろいろコメントをもらえたのがうれしかった。大学を卒業してからはテーマに沿ってなにか意見をまとめる、ということが限りなく少ないので、語学の勉強はそれができるのが楽しさの一つだなと思う。

家帰る途中で動悸と頻脈、前にクリニックで厚めに検査して大丈夫だったけれどずっと不安だ。漢方とかもいいのかな。

・2023.03.01

このあいだ居酒屋で食べたピーマンにつくね載せて食べるやつがおいしくて、家でつくって食べたらやっぱりすごくおいしかった。孤独のグルメの門前仲町庄助って店で出されているらしい。行きたいな。

いまY2Kの文脈でもオールドデジタルカメラが流行っているけれど、00年代に学生時代を過ごしてきた自分としてはiPhoneではなくやっぱりコンデジなのでは?という気分が高まり、2007年のデジタルカメラを購入した。日々の記録がてら撮っていくのがたのしみ。iPhoneだとなかなかそういう気にならなかったけれど、この日記にも写真ものっけていこうと思う(学生の頃はヤプースっていうのをやっていたなあ懐かしい)。