linkpack(202405)

・『暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE』、通わなければ。


・永遠のファミレス「ムーンパレス」に迷い込むアドベンチャーゲーム『ファミレスを享受せよ』めちゃくちゃおもしろくて一気にやってしまった。開発者はおいし水さん、エンディング2種もしっかり見た。

・2015年に開始された、初恋の人に宛てた5,000,000件を超える未送信のテキストメッセージを集めたプロジェクト「The Unsent Project」。メッセージは世界中の人々から匿名で送信される。

・アメリカで”ガラケー”ブーム。「また縁があったら話しましょう、と言うようにしている」

・dumbwirelssはスマートフォンではない携帯のみを扱うショップ。

・イギリスで行われた、名前が辞書に登録されていないからと赤線をひかれることをテクノロジー業界に訴えかける「誤植ではない」というキャンペーン。

・動的マップにテキスト、画像、動画などを組み合わせた Web ページを簡単に作成・公開できるアプリArcGIS StoryMaps。これ使って地図つくってみたく、アイディアを考えたい。

・「5/21(火)、台湾台北で3万人を超える民衆らが立法院(国会)周辺に集結し、今国会で強行採決されそうになっている国会改革などの法案に対する抗議の意を示した」

・金子由里奈さんの連載「いるものの呼吸」#5 本気の図。思考方法がそれぞれ違う話、わたしもこの話するの大好きだ。金子さんによる「図で思考してみた」の結果の図がとてもおもしろくて、わたしもそれぞれ描いてみたいな…

ガザについて考えるためのノート

ガザで起きていることについて、しっかりと知り、行動していきたい。正直なところ、これまでの自分はイスラエルとパレスチナ間の問題を「宗教が絡んだ、難しい問題」だと思ってしまっていた。それだったら、なぜパレスチナ難民が多いのだろう? 恥ずかしいけれどしっかりと考えてこれなかったのだ、ということを自覚している。これは今始まったばかりのことではないし、ガザでいま起きているのは、戦争ではなく、虐殺であるということ。このことはまだ学び途中であっても誰かとシェアし、考え続けていきたい。

遠い国のことだから、ではまったくない。10/24、G7において、日本を除くアメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダがイスラエルの自衛を支持した。10/29、上川外相は人道目的での休戦求める決議を「棄権」した。その後も上川外相がイスラエル・パレスチナをそれぞれ訪れるなど、日本の動きが非常に重要であることを知ると、一日でもはやくこの恐ろしい事態を終わらせるためには、日本で暮らす人々一人ひとりが関心を持つことが重要だとあらためて思う。自分に対しての自戒も含めて。

これは余談だけれど、母から昔、「クウェートで暮らしていたかもしれなかった」と聞いたことがあった。わたしの祖父はクウェートで石油の仕事をしていて、そこで亡くなった。つい最近も、母や叔母や祖母がクウェートに行ったときの写真を見せてもらったばかりだ。その話を聞いてからなんとなくアラブのことがずっと頭にあって、わたしももしかしたらアラビア語を話していたかもしれないとか思いながらも、アラブの人々や国々のことについて学ぼうとしてこれなかった。クウェートはパレスチナ国家の闘争を支持し、シオニスト国家の存在を認めず、パレスチナの土地のいかなる占有も認めないと強調している。

そして、ちょうど自分が書いていた連載のなかで、関東大震災が起きたときに自分が住んでいた街でも朝鮮人虐殺という恐ろしい出来事が起きていたことをこの夏知ったばかりだった。植民地主義や人種差別に対して、恥ずかしいことに自分ごととしてしっかりと考えてこれなかったと思う。身近に存在している支配・被支配という関係に対して強い怒りを感じるのに、日本も植民地支配をしてきた国家であるということについてもしっかりと学んでこれなかったし、そして今もなお支配はさまざまな場所でおき続けていることに対して、身近ではないからと目を背けてきてしまったのだ、と反省する。

いち早く停戦してほしいし、イスラエル政府による違法なパレスチナ占領・ガザ封鎖がいち早く終わってほしい。そしてガザで暮らす一般市民たちの生活が守られてほしい。さまざまな場所で暮らすパレスチナ人が差別されないでほしい。そしてそれを願っているユダヤ人が多くいることも知っていて、辛い歴史を背負ってきたユダヤ人がそれを理由に差別されることもあってはならない。イスラエル政府・軍と、イスラエル人・ユダヤ人を一緒くたに考えてはならない。

これはまだ考え途中のノートで、できることや、知り学ぶためのリンクなどを追ってまとめていこうと思います。自分のためにも、たまたまこのノートを読んだ人のためにも。

🌟今すぐにできることのメモ

明日少女隊さんの支援先リスト

「私たちのパレスチナ人の友人であり、LAのギャラリーThe Studio 203のオーナーであるアネッサ(Aneesa Shami Zizzo)に紹介されたものです。パレスチナは寄付や物資が届きにくい問題を抱えていますが、寄付したいという方はこちらの団体が信頼できるとのこと」

・寄付:Medical Aid for Palestinians

・寄付:UNRWA

・寄付:国境なき医師団

・寄付:パレスチナ子どものキャンペーン

・寄付:日本国際ボランティアセンター

・署名:国境なき医師団「イスラエル・パレスチナでの「無差別攻撃の即時停止」と「医療の保護」、「人道性の回復」を」(終了)

・署名:アムネスティ「ガザ・イスラエル紛争の即時停戦を!」

🌟知るためのメモ(まだ書けていない、途中ですが)

Instagram:<パレスチナ>を生きる人々を想う学生若者有志の会

Instagram:パレスチナに平和を

【特集】イスラエル侵攻のガザ地区~過去・現在・未来(高橋和夫×高橋真樹) / 荻上チキ・Session~発信型ニュース・プロジェクト

Podcastをよく聴いている方は。1時間程度でこれまで何が起きてきたのか・いまなにが起きているのかをよく知ることができる。

ハチ公前に響いた「パレスチナを解放せよ!」 抗議の声を上げた人たちに理由を聞いた / 東京新聞

<録画配信&まとめ記事>フェミニズムとパレスチナ:みんなの解放のために

パレスチナ問題 TOP|パレスチナ子どものキャンペーン

あないすみーやそこさんの投稿。1980年から93年までの間、イスラエル政府はパレスチナの国旗と同じ色を使用することを禁止したそうで、そこから赤・緑・黒が使われているスイカのイメージがレジスタンスの象徴になったそう。

BjorkやAURORAなどのミュージシャンのpostしはじめている。

link pack (2023/04)

4月に読んで・見て気になったリンク集。

記事

特別企画 藤原辰史「切なさの歴史学」前編

・こここ:弱さは個人の問題ではなく、構造上の問題だ。公認心理師・臨床心理士 信田さよ子さんと考える“弱さ”のこと

・朝日新聞:それは誰のための議論なのか 「トランスジェンダー問題」を考える

スラヴォイ・ジジェク「私たちは、『自由』が複雑なものであることを念頭に置いておかなくてはいけない」

これからのウェブサイトの姿を想像する|「Tokyo Art Research Lab」ウェブサイト制作振り返り座談会(前編)

・COURRiER:インターネットは「いまも私が妊娠している」と勘違いしている

・COURRiER:「女のあり方について考える女によるエッセイ4選」米紙から厳選

・VICE:デジカメが再ブームを迎えている理由

・frankie:why these photographers are embracing digital cameras from the early 2000s

・BUSINESS INSIDER:「刺激の少なさが気に入った」スクリーンタイムを減らしたいZ世代が「ダムフォン」を復活させた

・IDEAS FOR GOOD:「ボーッとすれば勝ち」韓国で“何もしない”選手権が開かれた理由

・朝日新聞:入管法改正案が衆院委で可決 立憲は反対 難民申請中の送還が可能に

入管法関連

入管法の改悪に反対する大集会

・東京新聞:入管法改正案は「無実の人に死刑執行ボタンを間接的に押すこと」 難民申請を繰り返さざるを得ない切実な事情

経口中絶薬

・時事通信:中絶方法に新たな選択肢=女性の負担減、費用面に課題―経口中絶薬

・朝日新聞:内閣府、性暴力防止の啓発用ポスター取りやめ 「作品が酷似」と指摘

選挙

・SPUR:世の中の大事なことは、たいていめんどくさい。「20代・30代の地方議員の女性比率3割」を目指して

・スガナミユウさんのブログ:世田谷区議会議員選挙、私の推し2023!投票は4/23まで!

ChatGPT関連

・WIRED:ChatGPTにハッキングの危機、AIにルールを回避させる“脱獄”をいかに防げるか

・朝日新聞:AIの無断学習、日本の著作権法ではOK 侵害にあたるケースは「信頼できるAI」議論へ 規制に敏感な欧米、動き鈍い日本 G7デジタル相会合

気になるプロジェクト

LADIES MUSIC PUB

What Are We Searching For? — A visual essay

気になる広告キャンペーン

・広告キャンペーン「Change the words to change the narrative」

・AMASS:ジョニ・ミッチェルについての映画をキャメロン・クロウ監督が密かに制作 米メディア報道

ルーズリーフを留めるカラフルなリング

・Lipstick & Blowing Bubbles (Liverpool Series) Tom Wood, 1985

・Boygeniusの3人がわちゃわちゃしゃべってて最高

・Kate BrockのYouTubeが好きすぎて、休憩するときだいたい見ている。バンクーバーの女の子。もともとはTikTokerだったらしく、そっちは今非公開になってて見れないんだけどYouTubeはちょこちょこ更新されてる。Thriftの店に行って買ってきた服で自由に着るシリーズが好き…

・あと友達に教えてもらった오눅onukちゃんのvlogもよく見てる。彼女もThrift行ったり、あとつくるごはんも好き。韓国行きたい…ここ最近vlog見ること増えたな…

・夏の気分。

・Katie Marchantの緑のベルト!

・ハート型の湖行ってみたい。

・どこか知らない場所のビーチに落ちていたものたち。

「自分が書かなければおそらく誰かが書く日記」/favorite websites

ふとしたときに思い出す、「自分が書かなければおそらく誰かが書く日記」のこと。

わたしがこのサイトのことを知ったのは、Tumblrで「プールの授業が終わったあとの国語の授業のときに開けてる窓から入ってくる風がいちばん好きな種類の風」といった文章を見かけて、その引用元をたどってたどり着いたのだった。

訪れた人が誰でも日記を書くことができるけれど、1日に1つの日記だけしか表示されない。訪れた人たちが自由に編集できるので、初めに書かれていたものは別の誰かによって改変されていく。日付が変わった瞬間に、二度と手を入れることのできない存在になる。さっきのプールの文章も、本当は元の文章を書いた人がいて、無断転載と改変が加わってこのサイトに載っていたらしい(鯨庭さんのツイート「文を改変と無断転載されて、詠み人知らずのままインターネットの海を漂うのはとても楽しかったです」)。無断転載や改変は多くの場合は問題を生み出すものだと思うけれど、ときにこういう例外もあるように思う。

このサイトに載っていた「どんな美しい言葉でさえも今という瞬間に存在する言葉を超えることはできないのです. たとえそれがどんなに汚い言葉でも例外はありません」という言葉が印象に残っている。匿名で、誰でも更新できるという仕組みだから、誰かの日常と誰かの日常が溶け合い、真実であるか嘘であるかも価値がなくなり、唯一たしかに刻まれるタイムスタンプだけがリアルなものとして残る気がして、そういうところが好きだった。

目立たない場所にそっと置かれたノートみたいに、ずっと残っていてほしいと思っていたけれど、あるとき終了することになってしまい、そこには「あなたがインターネットで見つけたであろう言葉はもうここにはありません 引用された言葉よりもたくさんの新しい言葉をご自身で生みだせますように」という言葉が残されていた。このサイトについて書いているこの方の文章も好きでした。

http://darekagakaku.herokuapp.com/

このコーナーではインターネット上にある/あった、特別にお気に入りのウェブサイトについて忘れないように記していきます。

Link Pack(8/8〜8/24)

・おととい、深夜に急に胸の下あたりが痛くなってこれは何だ…?と思い、次の朝パジャマをめくるとぶつぶつが。皮膚科に急いでいくと帯状疱疹だった。これが噂の…と不安になっていたけれど、経験者の話などを聞いて少し安心。身体の奥の方から表面に向けて突き上げるような初めての痛み、体の怠さにやられている。薬が効いているのか、朝より少し楽にはなってきたけれど、朝は耐えきれない痛みだった。疲労とストレスといわれたのでとりあえず明日もゆったりしよう。免疫が落ちているのかなあ。こんな時期だし、免疫をなにがなんでも高めたい…。

・オリンピックはあっという間に終わり、パラリンピックが始まり、フジロックも始まり、感染者数はうなぎのぼりで、一日中家から出ずにテレビを片目にTwitterとInstagramを行き来していると、なにが現実なのかよくわからなくなってきて頭が混乱してくるのですべてを閉じる。いまの政治に対して、向こう見ずでご都合主義としか思えなくって本当につらい。スピード感を持って様々な出来事に対してアクションを行っている人たちに最大限のリスペクトを持ちながら、心が折れないように、自分なりのバランス感覚を探っている。例えばこの日記をつけているのもその一つの方法で、気になるけれど調べたくなって仕事や家事や休憩などができなくなってしまいそうなニュースはPocketに放り込んで、夜遅くや早朝、週末にじっくり読んでいるから、だいぶバランスがとれるようになった。

・そんななかで開催されたフジロック、さまざまな人がいろんな状況・気持ちであることがあることはたしかなものだとして、デルタ株で状況が変わり自宅療養で死者が出ている今、「大人数が長時間集合する」という状態を見るのがつらくて、配信もちゃんと見れなかった。今年は有観客で行うべきではなかったんじゃないかなと思う…。けど、なんともはっきりといえない。難しい。コロナにまつわるさまざまな判断がそれぞれに委ねられている状況の難しさ。

柚木麻子さんの料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」の「幸せそうで、なにが悪い」。普段から柚木さんのTwitterを見てめちゃめちゃ元気をもらっているのだけれど、わたしはこのエッセイの「分断社会で辛い思いをしている人が大勢いる中、楽しそうに振る舞うことをとまどう心理は当然である。でも、自分の特権を自覚し社会貢献しようとすること、幸せでいることは両立できると私は思っている」という言葉に本当に元気をもらった。幸せであるとき、楽しくあるときに、なんとなく後ろめたさを感じたりする。でも、少しでも気持ちや時間に余裕があるときは楽しくあっていいし、そういう人が苦境の中にある人を助けることもできるのだということ。ともさかりえの素晴らしいアメーバブログの話も気になる。

・紗織ちゃんのTOKIONの連載「小指の日々是発明Vol.4」の『日常と、芸術の存在意義』が本当によくって泣いちゃった。ウイルスに怯えすぎて、芸術の醍醐味をすっかり忘れてしまっていたということ。過去救われてきた作品を頭の中で浮かべたら、蘇ってきたあの感覚。そして、当たり前に思い描いていたことが、今やもうただの願望みたいに思うこと。奪われ続けている個人的な日常を1日でも早く取り戻したいということ。ひとつひとつ頷きながら何度も読み返した。紗織ちゃんが2005年に渋谷の文化村でレオノール・フィニを観たちょうどその頃に、わたしは友達の紹介で彼女と出会った。高円寺で遊んだ日のことをいまでもよく思い出す。あの頃のことを思い返すと、未来はこんなに予測不可能なものなんだなと驚く。身も心も無防備に感動したり笑ったりできる日を、絶対に取り戻したい。この記事のRelatedにme and youのインタビューがあったのも嬉しかった。TOKIONさんありがとう。

井上まいさん『大丈夫倶楽部』を読み始めた。登場人物の愛おしさ、わかる、わかるよ…となりながら布団にくるまって読みたい。

・先々週くらいに『プロミシング・ヤング・ウーマン』を観た。まわりの人たちが絶賛していたから楽しみにしていたのだけれど、自分にもあった様々な出来事が思い出されたり、いろんな感情がごちゃまぜになって、最後のシーンで涙が溢れた。映画後、映画を観るまで楽しみにとっておいた鈴木みのりさんによるレビュー「性暴力への「復讐劇」を華麗に転じる傑作!『プロミシング・ヤング・ウーマン』」(Wezzy)を読む。ブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンのこと、「キャシーが見つめているのはわたしたちだ」の章の考察などを読み、でもう一度作品を楽しんだ気持ちになった。また観たい映画。

・イングランド北部の都市ヨークには、子どもなしで歳を重ねた人たちが集う「Aging Without Children(AWOC)」というコミュニティがあるみたい。集会をしたり、“普通の”女性たちが日常や社会のことについてを題材に繰り広げる劇団「ノー・キディング」や、詩の披露など、創作活動にも力をいれているとのこと。私は歳を重ねたときにそれぞれの苦悩を分かち合える場所をつくれたらいいなという野望?があるのだけれど、こういう人たちがいるのだなと思うと勇気が出る。

・アフガニスタンの問題については本当に難しく、勉強不足で、いまも現在進行中で学んでいる。本当はこの雑記を書くまでにもうちょっと勉強したかったけれど、体調不良でなかなかできなかったので、引き続き学びたい。RAWA(アフガニスタン女性革命協会)を支援している日本の「RAWAと連帯する会」代表の清未愛砂さんの『ペンとミシンとヴァイオリン アフガン難民の抵抗と民主化への道』を読んだ。写真がふんだんに使われていて、女性と子どもたちの生活と教育のいまが伝わってくる。また、COSMPOLITANの「アフガニスタンの女性と子どもたちのために今できること」という記事も何ができるか書いてあってわかりやすかった。「RAWAと連帯する会」「women for afghan women」に寄付し、「Protect the freedom and safety of Afghan women and girls」に署名をしました。

Kid Pixがブラウザ上で完全に再現されてて感動しちゃった。小学生のときのパソコンの授業でこれで遊んでいた記憶が一気に蘇った感じだ。

・Twitterでmariekkoさんが投稿されていて知った旅のサブスク「HafH」が気になる。全国700以上の施設を月額2,980円からサブスクリプションで泊まれるとのこと。知らなかった素敵そうな宿泊施設もたくさん。一回試しに使ってみたいなあ。

・ジョージアのLouisa Chalatashviliという方の写真を見ていると世界にはこんなにも美しい場所があるんだなとはっとする。また生きていればいつかはこの地に降り立つことだってできるかもしれないんだということも。

黒田育世さんの新作公演『YSee』へ。Joanna Newsomのアルバム『YS』の1曲1曲と向き合って生まれた舞台。何度も泣いてしまった。こういうふうに心が震える感じがひさしぶりだった。帰り道に、こういうわけもわからず、言葉にもならない気持ちが湧き出てくる感じって、本当に大切だよねと話した。身体を小さくしてスマートフォンと向き合っているときとは真逆な気持ち。

・神楽坂にいたので、かもめブックスへ。「いつまで争うの?」特集でサローヤンの『僕の名は、アラム』を買った。帰りの電車でちょこちょこ読んだけれど今まさにこういう本が読みたかったなという本。『パパ・ユーアクレイジー』も家にあるけどまだ読めてなかったから、ますます楽しみになった。特集では、このあいだ長田杏奈さんが紹介していた『ヘイトをとめるレッスン』なども売っていて、おもしろい特集でした。そのあと神楽坂から早稲田に向かう印刷工場が立ち並ぶ道を歩いて、そのあたりにあったunkという古着屋さんがよかったです。もう少し体調も世の中の状態も落ち着いたら、知らない街の知らないお店に行って、どこか遠くに行った気持ちを味わいたいな。

・鷲田清一さんの『「聴く」ことの力』、伊藤亜紗さんの『手の倫理』を読んだ。たまたま同時に読んでいたけれど、『手の倫理』のなかでも『「聴く」ことの力』が引用されている部分があって、読み進めながら呼応している感じがあった。この二冊についてまたじっくり考えたい。

・たまたまTumblrで見つけた犬がかわいいThe CureのJust Like Heavenのポスターらしきもの。

Link Pack(7/13〜8/7)

・この間のme and youのニュースレターの日記にも書いたのだけれど、感染症が蔓延し、ワクチンも補償もされない中、オリンピックが開催されて、日々信じられないようなニュースが次々と目に飛び込んでくる。今この国で生きている、ということについてどう向き合っていくべきか日々考えあぐねている。声をあげるべきときにあげられる場所であげて、まわりの人と話す機会を増やすことからまずは始めようと思う。

・2013年、東京オリンピックが決まったとき、わたしは「そうなんだ」くらいしか感じてなかなかった。恥ずかしいことに。なにも考えずにぼんやり「東京オリンピックが開催される頃は32歳か、なにしてるんだろうね」なんて友達と話していたような気がする。社会で何が起きているか、政治についても関心を持てていなかったわたし一人の行動も何かしらのかたちで今に繋がっていると思う。無関心の怖さ。感染症が広がる最中で行われる今年の五輪、というだけではなく、五輪というもの自体が抱えている問題に関しては「五輪開幕の今こそ考えたい、スポーツにおけるセクシズム──井谷聡子×清水晶子【VOGUEと学ぶフェミニズム Vol.13(前編)】」の記事がとてもわかりやすかった。井谷さんが監訳をされている『オリンピックという名の虚構』も読み始めました。

「ワクチンを若い方も打っていただきたい」という小池知事の言葉。こんなにもいまの現状が見えていないのか、と唖然とする。忘れないために書いておきたいけれど、私は7月16日に接種券が届いたけれど、その段階ではもう既にすべての枠がいっぱいだった。その後、運良くキャンセル枠が見つかって8月末に予約ができたけれど、本当に運が良かったとしかいいようがない。何度も画面を見に行ってやっと、という感じだったし、大規模接種も一瞬で埋まってしまう。その後、中小企業が6社で運営している職域接種のことをTwitterで知り、ワクチンを一つも余らせないように声をかけていたようで、me and youのような小さな会社でも大丈夫だったので早く受けたかったからそちらで受けることにして、区の枠はキャンセルした。ほかに機会を求めている人に渡すためにも区の枠はあけたほうがいいと判断した。

わたしは運良く職域接種で早く受けることができたけれど、職域接種というのもそもそも格差を生んでしまっているなと感じたりもする。医療関係者やエッセンシャルワーカーなど早く接種すべき職種の人が職域接種を行うのはわかるけれど、大企業で勤めている人、あるいはそういった人と家族であったり、なにかしらの繋がりを持っているだけが先に打てて、繋がりを持たない人はワクチンが打てず、リスクに晒される時間が長くなるのはおかしな構図だなあと。どうなんだろう。ほしいほかの国がどのようにワクチンを行き渡らせているのか調べきれてないのだけれど、まったく統制がとれていないこの現実に悲しくなる。(また状況は刻々と変わっていると思うので現時点でのメモ)

・mmmさんの「とんぼ」は、今この東京を生きているということについて考えながら聴きたい曲。

・8月6日に小田急線内で起きた恐ろしい事件。たまたま事件が起こる1時間前に小田急線に乗っていたため「もしかしたら自分も刺されていたかも」という気持ちになった。そういうふうに感じた人はきっと多いはず。仕事中に親から何度も電話がかかってきて事件を知って、逃走中だということで気が動転してしまった。

その後犯人が見つかったということがわかって少し安心したけれど、電車に乗るきにはなれずタクシーで帰って、翌朝目覚めたら「幸せそうな女性を見ると殺したいと思うようになった」とフェミサイドだということがわかってすごくつらい気持ちになった。

これで女性たちが「幸せそうな女性」だと思われないようにしたり、女性だからといって必要以上に気をつけて電車に乗らなくてはいけなくなったりすることは確実におかしい。既にこんなにも危険な目にあわないように、生活の中で必要以上に気をつけているのに。加害者の供述を見ても、小さな性差別をそのままにしておくと、積もり積もってこんな悲惨な事件になってしまうこともあるのだと感じて、社会が本当に変わっていかなくてはいけないよなと思った。「殺人をするような人は異常者だから」とそこで話を終わらせることはできない。殺されはしていないけれど、「支配欲」を感じることや、そしてそれに抗うと危険な目にあってしまいそうなことには覚えがある女性は多いと思う。だから多くの女性たちがこの事件に対して声をあげている。レベッカ・ソルニットの『説教したがる男たち』に収録されている、「長すぎる戦い」という文章のことを思い出した。暴力の前提には「私には、お前をコントロールする権利がある」という独裁主義があるということ。これが極端になると殺人に及ぶことがあると考えると、あきらかに繋がっている。

一方でもちろん、女性である自分自身もなにか差別性を持っていないか、常に注意深く見ていかないといけないと思う。それに一部で極端に「女性vs男性」の構造にして煽る感じもあるけれど、それも新たな差別を生む。「わたしは絶対にそんなことはしないから」と信じ込むことは絶対に避けたい。この事件を通じてさまざまなことを考えたし、いまも頭のなかの大半を占めている状態。まだわからない部分も多いし、今後も追っていきたいです。なにより被害者の方の怪我が良くなり、その場に居合わせた方の心の傷が癒やされますように。

この事件のことを考えるときに韓国で起きた江南駅殺人事件のことが浮かんだので「韓国の女性たちが「声を上げ、生き方を変え始めた」理由」を読み直した。フェミサイドについては、HUFFPOSTの「日本の殺人事件での死亡者は、女性が男性を上回る。「フェミサイド」の実態は?」という記事、The HEADLINEのフェミサイドについて、刑事司法制度や各国の状況などについて丁寧にまとめられた記事が参考になりました。

コミックナタリーで『バクちゃん』の増村十七さんと『ベルリンうわの空』の香山哲さんの対談!どちらも移民についてや異なる人たちと思いやりを持って生きることについて考えるきっかけを与えてくれる大好きな漫画。

付き合っている相手が同じ男性だったということがわかった3人の女性たちが古いスクールバスを改装して共に旅に出る、という物語みたいな本当の話。最高。

Ms.MachineのSAIさんによる野中モモさんのインタビュー、「対話」という感じがしてすごくよかった。モモさんの「世の中は放っておくと富める者がより富む流れに乗ってしまうものなので、そこにちょっとした小石を投げ入れて、ノイズを起こすようなことをしてほしいですね」という言葉も、本当にそうだなあと思う。

猫によるビデオボムまとめ。かわいい…

・Rookieの「夏の楽しみのためのガイド」も大好きだけれど、VICEに載っていた「もし夏が嫌いでも最高の夏を過ごす方法」も良かった。

・お気に入りのブランドkkCoのアンチブライダルコレクション「CEREMONY,」のコンセプトいいなあ。いつだってセレモニーをしていきたいので一着買って特別な日に着ていきたい。

羽佐田瑶子さんのアイドル・フェミニズムにまつわる連載がスタート。気になる分野、第一回目は研究者・高橋幸さんへのインタビュー。2ページ目の「問題なのは、アイドルの主体性を利用して、アイドルを食いつぶしていくような搾取システムである」という話について、頭の中ですごく整理される感覚があった。

「『ゴーストワールド』キレイな世界の裏にある、押し殺された感情たち」読んで、久しぶりにゴーストワールド見たくなった。大好きな映画!

・女性旅行者コミュニティのFemmeBnBというものがあるのをはじめて知った。WIREDによると女性の旅行体験を向上させるための民泊仲介サービスと、旅行者と宿のホストをつなぐコミュニティ機能を持つとのことで、すでに60カ国・4,000人以上の登録者を集めているそう。検索してみたところ、日本はまだなさそう?このサービスは絶対に心強いだろうなと思った。女性が普通に旅をして宿泊してもまったく危険な思いをしないような日が訪れてほしいな。

・編み物一年生なのですが、夏っぽい丸いバッグができた。かわいくって持ち歩きたいんだけど、このくらいの大きさのバッグを持ってどこかに行く用事がなくってかなしい。

・7月は映画館で映画をたくさん観れた月。エリザ・ヒットマン監督の『17歳の瞳に映る世界』、横浜シネマリンでずっと観たかったシャンタル・アケルマン監督の『ブリュッセル1080, コメルス河畔通り23番地, ジャンヌ・ディエルマン』、イメージフォーラムでケリー・ライカートの『ミークス・カットオフ』『リバー・オブ・グラス』『ウェンディ&ルーシー』。どれも自分にとって大切な映画になりました。

Link Pack(6/21〜7/12)

・6月後半からばたばた、me and youのwebサイトをオープンしたり、新しく性にまつわる話をはじめるpodcast「わたしたちのスリープオーバー」をスタートしたりしました。

・podcastを始めるに伴って読んでいたリン・エンライト著、小澤身和子さん訳『これからのヴァギナの話をしよう』がすんごく面白い。なぜこんなにも自分の身体のことを知らずにここまで生きてきてしまったのか?と不思議に思う。学校も親も教えてくれなかったよ。勝手に女性のオーガズムを定義付けたフロイトに憤りを感じる。家父長制は本当におそろしい。女性が過剰に興奮することを永久的に防ぐために、クリトリスに石炭酸を塗ることを勧めたケロッグもこわすぎてきれそうになったのでもうケロッグのオールブランは食べれない。『禁断の果実』というスウェーデンのフェミニズムコミックもおもしろかったので、二冊一緒に読みながらやんや言う会をやりたい。

・ノルウェーの国営放送がSexguidenというセックスの60の体位を伝えるwebサイトを公開、賛否両論呼んでいるらしい。このページになぜ作ったか書いてあるけれど、若者は性に関してポルノから影響を受けており、セックスについての有益なジャーナリズムはあまり存在していないということから、現実的で多様な性の表現に貢献したいという思いで様々な専門家にも話を聞きながら作ったみたい。以前からノルウェー国営放送は『Line fikser kroppen』(リーネが身体を整える)という番組で一般人のセックスを放送したりもしていたけれど、わたしはとても大事なことだと思った。日本のテレビはいまもセックスのことをだいたい下ネタとしてしか扱っていないよ。

・ジョニ・ミッチェル『blue』が50周年を迎え、Instagramフィルターが生まれたり、The New York Timesでは「50 Reasons to Love Joni Mitchell’s ‘Blue’」という特設サイトが立ち上がりHAIM、Graham Nash、Judy Collins、Perfume Genius、Natalie Mering(Weyes Bllod)など25人のミュージシャンたちがメッセージを寄せている。Blueのような作品を聴くと、Spotifyで1曲ずつ音楽を聴くことが増えたなかで、一枚のアルバムを通して聴くことはかけがえのないものだという気持ちになる。

・高島鈴さんのwezzyの記事「「コンプレックスこそ美しい」の先にある、閉鎖された社会」。<明るくて優しくてやわらかくて、見ているとなんだか「自分も変わろう」と思えてくる、そういうムードの「フェミニズムっぽい自己啓発」に、私は賛同しない。何度でも書くが、変わるべきは社会の方である。己を否定された怒り、苦痛、悔しさを、さらに己の労力を割いてわざわざ明るいものにすり替えたり、やわらかいもので覆い隠したりする必要はない。>というテキスト、何度も読み返し頷いた。「勇気を出して、あなたが変われば大丈夫だよ」「そのままでも素敵だよ」と優しく投げかけられると「そうなのかな」という気持ちがしてくる。そうした優しかったりやわらかかったりするものこそ注意しなくてはいけない。同時に、自分がなにか社会問題の個人化をしていないか注意深くありたい。

竹田ダニエルさんの「エンタメが死んでいかないようにするには」。計画性もなく緊急事態宣言が発令されてオリンピックの準備が粛々と進み、未だにワクチンが受けられていない人がこんなにも多い中で(わたしも)、「自分は自分の居場所だけでしか何もできない」という考え方をしている場合ではないなと思う。もちろん何ができるかはそれぞれだし一概には言えないけれど、大きな声を持っている人が「〜しかできない」ということは、いまの日本の社会にいらない諦めを植え付ける行為に繋がる気がする。「「餅は餅屋だけ」「自分のことだけをしろ」「前だけを向いて進め」というtoxic positivityや自己責任論から一刻も早く抜け出し、コミュニティの一員としてどう変化を起こすことができるのか。」本当にそうだと思う。

Lobsterrでブッククラブのことが書かれていた。ひさびさにNoname Book Clubのwebサイトを覗いたけれど、ああ本当すばらしいなあとなった。ローカルの本屋さんやライブラリー、他のブッククラブとのつながりをつくっているところが素敵だ。LiteratiというBook Clubのサブスクリプションサービスがあることを知った。子供向けからスタートして、大人向けとしてロクサーヌ・ゲイだったりさまざまな人がキュレーターとして参加しているみたい。

・オーストラリアのお気に入りマガジンfrankieを見ていて知ったすべての女性、トランス、ノンバイナリーを祝うイベント「Locker Room Talk」。1週間だけギャラリーをロッカールームみたいにしよう、ってコンセプトがかわいい。セックスについて話したり作品展示などもあるみたい。

AURORAによるプレイリスト、一曲目が松原みきの真夜中のドア。

樋口恭介さんがTwitterで唐突にオンライン英会話でしゃべった人たちを紹介していてそれがすごくよかった。最近オンライン英会話をさぼってたけど、あの未知の出会いの感覚を思い出さなくては。

・MonchiconにFaye WebsterLucy Dacusのインタビュー!Faye Websterがmei eharaさんの音楽に恋をして、一緒に作るようになったエピソードすごく好きだし、曲も大好き。Lucy Dacusの「Thumbs」と親指の話。たしかになんで親指って言うんだろう。

夫婦同姓の規定は「合憲」と決まったことについて、わたしは「”選択的”夫婦同姓なんだから選択できたらいい」と思っているのだけれど(勉強不足かもという部分がありつつ…)、「夫婦同姓には『家族の一員と対外的に知らせる』『家族と実感できる』という合理性がある」とした15年判決がどうしてもよくわからない。もしその理論なのであれば、どちらかの姓に入る必要はなく、フィンランドみたいに家族となったら新しく姓をつくる選択肢も増やせればいいのに、と思ったりもする(姓を選ぶのは“個人”の権利。夫婦別姓OKの国際夫婦3組それぞれの選択)。「名字が同一である」ことだけが家族であると対外的に知らせる、実感する方法なのか?もやもやしていたけれどこの記事がすごく勉強になった。名字誕生はいつから? 諸外国は?「選択的夫婦別姓」議論のため基礎知識

・だいすきな晶文社スクラップブックで伊藤亜紗さんの新連載。天気・体・社会の三者の関係。

・Alex GのBad Manのゲームボーイ風リミックス、マリオじゃなくてワリオなのがいい。

・春ねむりさんのインタビュー、「奪われてることにもっと怒っていい」よかった。

・チャン・リュル『キムチを売る女』、マーロン・リグス『タンズ アンタイド』、ダルデンヌ兄弟『その手に触れるまで』などを観た。国籍や宗教、肌の色、セクシュアリティ、それぞれが複雑に絡み合い差別や抑圧や暴力が生まれている。『その手に触れるまで』はイスラム原理主義にはまった少年の話だけれど、最近みていた超正統派ユダヤ人を描くnetflixドラマ『アンオーソドックス』のことを思い出した。正義ってなんだろう。前に『慶州』を観てだいすきになったチャン・リュルの『キムチを売る女』、何日経ってもいくつかのシーンが頭に蘇る。もう一度観たい。

・前に買って読みかけで読めてなかった『くたばれインターネット』、ちょうど頭に「くたばれ」という言葉が浮かんだのと、今日たまたま部屋の蜘蛛が本棚のそのへんに止まったので読み始めることにした。蜘蛛の導きに忠実に生きている。

・自転車で深大寺に行って、横にある神代植物公園へ。バラ園と大温室がすばらしくて感動。また行きたい。

・ときどき、自分が大切にしている考え方とはまったく違う考え方の人の考えを見にTwitterで検索をしている。あきらかな差別主義者ではなく、「差別に反対です」と言いながらも明らかに一部の人を排除しているという人が多数存在している、そういった複雑な構造に対して戦える言葉を蓄えないと、という思いと、いまの自分の無力さに苛まれて画面を閉じる。胸が苦しくなる。同時に自分もなにかしらの差別をしているのかもしれない、という自覚を持つ必要性を感じる。シスジェンダーでヘテロセクシュアルで、東京で暮らし、自分で好きな仕事をしてお金を得ているわたしはあまりにも多くの特権を持っている女性だ。その立場を自覚しながら、わたしにはなにができる?が頭の中でぐるぐる巡っている。この気持ちを忘れてはいけない。