2023年10月の日記

・新しくカメラを買って、散歩がとにかくたのしい。記憶が言葉で残されるというよりかは、たくさんの写真が頭のなかに格納されているような感じがあるから、写真で日々を記録することで気持ちが安らぐ感覚がある。

・福岡へ。博多と久留米でイベント。ajiro、MINOU BOOKSのみなさまには本当にお世話になった。食べ物がおいしく、なんていえばいいのか、すごくエネルギーがもらえる豊かな食事。この出張は、いろんな人と一緒にごはんを食べて、お酒が飲めたのがすごくよかった。その土地で暮らしている人と食べるごはんは格別だ。久留米はあきさとさんが新しくつくったhisiという場所を案内してくれて、川沿いでのんびりした時間が美しかった。福岡の空気がなんだか好きで、また必ず訪れたい。

・京都。京都に行くとなぜかパンばかり食べる。出張で訪れたけれど、仕事がとにかく忙しかったのと、考えたり学ばなくてはいけないけど時間がない、というテンションになってしまって、気持ちがぎゅうぎゅうになっていた。ホテルで夜遅くまでずっとパソコンに向かっていると、遠くまできて何をやっているんだろう、となぜか大きな悲しみが襲ってきて、前々職の会社でタイに出張したときもこの感じあったなと思い出した。夜21時に夕飯を一人で食べに出かけ、ホテル近くにあったなんだか雰囲気がよさそうなお店の扉を開ける。常連さんたちが手招きしてくれて、それまで何人も断っていたらしいけれど、店にいれてくれた。温かいおでん、そんなに飲むはずはなかったけれど、ビールに、日本酒二杯。ご縁だねえ、と向こう側の席にいるおねえさん。音楽はキリンジがかかっていた。物理学者だという隣にいた人が、この日本酒も粒子でできていて、と話すのを聞きながら、ぎゅうぎゅうだった気持ちが解けていくのを感じた。 

・10月は9月に引き続きたくさんの街に訪れた。新しい風景、新しい人、たくさんの刺激を受けてこんなうれしい機会はないなと思いながらも、休みなく移動していたことで少し疲れを感じている。受け取るものが多すぎて、少し整理する時間が必要そう。

・ゴーストワールドの試写。中学生か高校生の頃観て、DVDも持っていて何度か見返してるけど、スクリーンで観たのははじめて。毎回「こういう話だったか!」と思う。多分初めて観たときは、世界に嫌気しかないくすぶった気持ちを抱えた自分とイーニドをただただ重ねていたけれど、今はもう少し外側から作品を眺めることができて、また違った意味で好きになっている。

・バストリオ『一匹のモンタージュ リクリエーション』のアフタートークに参加した。二日連続で観劇。それぞれが日常のなかで感じたり考えたり観察したりしていることが、わたし自身のいつかの経験や記憶と重なり合う瞬間がある。そして、その場にいるそれぞれの一匹たちが重なり合う瞬間もあって、そのことに深く感動する。そして音楽。サックスの音、歌声、叫ぶ声。会場の外へ走り出て、だんだん聞こえなくなる声。食事、いい香りのする木、コーヒーの匂い。目の前に生活があって、知らない誰かもどこかで生活をしていて、そして今この時間もどこかでその生活が脅かされているのだということも思う。

・Sam Wilkes&Jacob Mannのライブで、ビルボード横浜へ。すばらしいライブで、多幸感に満ちていた。演奏する本人たちも音に浸っていて幸せそうな姿で、ああこれだからわたしは音楽が好きなんだ、という時間だった。

・twililightで連載していた『わたしを覚えている街へ』が小さな本になる。このうえなくうれしい。金木犀のソーダを飲みながら最終確認。手のひらサイズの小さい本。自分が生まれ育った街について考えることで、自分の過去について見つめ、遠く昔にあったことを思いをはせ、ほかの街やそこで暮らす場所について考えることへと広がっていった。そしてこの連載をしていたことで、自分が生まれ育った街のそばに今も暮らせているということを含め、いかに自分が持てているものが多いのか、ということを実感する機会にもなったと思う。

・ガザで起きていることについて、しっかりと知り、行動していきたい。正直なところ、これまでの自分はイスラエルとパレスチナ間の問題を「宗教が絡んだ、難しい問題」だと思ってしまっていた。それだったら、なぜパレスチナ難民が多いのだろう? これが今始まったばかりのことではないということ。ガザで起きているのは戦争ではなく、虐殺であるということ。このことはまだ学び途中であっても誰かとシェアし、考え続けていきたい。(別の投稿に書こうと思います)

・自分の携帯に毎日なんとなく日記をつけていたものの、この場所に書けてなかった。でもやっぱりどこかに何かを書くというときに一番落ち着くのはここで、少しでも記録を残していきたいなと思う。Twitter(Xは未だに言い慣れない)はやめようかずっと悩んでいるし、InstagramとThreadsは使ってはいるものの、何をどこに書こうか迷ってしまって、そのままアプリを閉じることも多い。告知したいこと・すべきこと、シェアしたいこと・すべきこと、たくさんあるそれらをいつどこにどうやって書いていくか。仕事柄、自分のメディアも持っていて、ほかのメディアに書く機会もあって、届けられる機会は無限にあるはずなのに、さまざまやらなくてはいけない目の前のことでなかなか追いつけないのが歯がゆい。だからこそ考え途中のことを書き続けたい。

2023年5月の日記

5月はあまり記録をつけていなかった。

・2023.05.31

このあいだtwililightで買った樹村みのり『彼らの犯罪』を読む。最近起きたある事件のことなども考えていた。『母親の娘たち』も読みたい。

・2023.05.30

朝は7時台に起きるのが調子がいい。8時台でも6時台でもだるくなってしまう。身にまとうものはなるべくシンプルで素材に心地よさを感じるものが調子がいい。

・2023.05.29

一日中、歪んだ感情が頭を占めてしまっていてだめだった。明日からしっかりしたい。梅雨はいやだ。

・2023.05.28

近郊の山に登るのがとてもたのしかった。山頂で見たバードウォッチングをする人たちのことがなんだか忘れられない。

・2023.05.27

中高時代のことをたくさん話した日。グループに入るということがすごくすごく苦手で、だけど一人で全然大丈夫みたいに貫くこともできなかったから、「こういうグループに入らなきゃ」という感覚に常に襲われていて焦っていたし、ずっと誰かの目線を意識しながら生きていたように思う。そうした目線は自分自身も知らず知らずのうちに放ってしまっていたように思うし、そのことを思い返すと逃げ出したくなるくらい辛い。自省を忘れずにやっていかなきゃ、忘れたら終わりだ。ずうっと女子校だったけれど、女子校出身の子って女子校に対してこういう思い出を話す人は少ない気がする。けどわたしだけではなかったんだと思って少し安心した。

2023.05.26

あたたかくなってくると白い服が欲しくなるけれど、今日みたいにケチャップをこぼしたときのことを考えるとやっぱり買えない。

2023.05.25

アイ子と寿司。いっぱい詰まった誕生日プレゼント&お土産セットがうれしすぎて、明日の朝に開けることにしてたのしみに机の上に置いた。サンタクロースにもらうクリスマスプレゼントが楽しみだった頃みたい。眠る前にひさしぶりに本を読む。いつか一人旅をしたときのあの感じのことを絶対に忘れない。

・2023.05.24

気づくと全然日記を書けていなかった、けど残すということに少し固執しすぎていたようにも思うので、そのままにする。

・2023.05.22〜23

日記をかいていない。

・2023.05.21

はじめての文学フリマ出店。すごい人・人・人!学祭感があってかなりたのしかった。お客さんもたくさんきてくれたし、やっぱりこういったかたちでいろんな人に会える機会がたまにあるのはうれしい。普段だいたい家で仕事しているから、なおさら。

・2023.05.20

駅前で盆踊りの練習をやっている。夏。夜、先週に引き続きtwililightへ。山崎まどかさんと児玉美月さんがメーサーロシュ・マールタ監督作品についてお話するトークイベント。好きな監督の作品について好きな方々がお話するのを聴く、幸せな時間。

・2023.05.19

仕事後、BIG LOVEに行って友人たちと音楽の話をする。わたしは音楽に関しては完全なるリスナーなので、ただただ音楽が好きな人として、音楽が好きな人といいですよねと話す時間が本当に愛おしく感じる。ロンドンの話とかもしてたから、前にロンドンでライブを観たTirzahのレコードを買った。原宿の居酒屋で飲む。原宿の居酒屋で飲んだのって人生初かも。

・2023.05.18

数日前に感じたちょっとしたもやつきを何回も反芻している。あのとき、子供がほしいと思っていない自分に対して、本当にそう思っているのかと疑うような聞かれ方をしたように感じて、誰もが子供がほしいと思うものだろうという前提のもとで聞かれたような気がして、なんでそんなふうに聞くんだろう? とずっとずっと考えている。飲みすぎていたからかもしれないし、あまり深く考えるのはやめたいけれど。

・2023.05.17

朝は後編へ。二日酔いだからやや調子が悪い。おすすめしてもらった『スカム・フランス』を観る、すごくいい感じで続きがたのしみ。登場人物たちのリアルな感じがとても愛せる。

・2023.05.16

電車で腕や首にタトゥーがたくさん入っている女の子がいてすごくかわいかった。今はまだ何をいれたらいいかわからないけれど、いつかいれてみたい。

自分自身の選択や自分自身のやっていることが間違っていない、と信じて進んでいくことは大切なこと、一方で信じるものがないことが悪い状態だということは絶対にないと思う。

・2023.05.15

日記書いておらず。

・2023.05.14

生きているうちにできるだけ多くの言語を知ってみたいし、できるだけ多くの国の文化を知ってみたいという気持ちと、気持ちはあるわりに全然行動に移せていないというもやつき。

・2023.05.13

眠くてなにもできず家にいた。日記を書いたり、好きだった音楽を振り返ったりする。中途半端にしておいた思考の切れ端みたいなものをしっかり調べたりしながら埋めていく、という行為は10代の頃から癒やしの行為としてやっていたことだ。放っておくと透明になってしまいそうな自分がたしかに存在していることをたしかめるための行為でもあるように思える。

・2023.05.12

twililightで『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の関連トークを、金子由里奈さんと。ぬいしゃべは本当に自分にとって大切な作品で、『眠る虫』なども大好きな金子さんと話すなんて…とめちゃ緊張していたけどたのしい時間だった。金子さんが話している言葉の一つひとつがいま自分にとっても必要な言葉だった。わたし自身、やさしくあれない、自分自身に残酷な部分がある人間であると思っていてそれがしんどくなるときが多く、だからこそやさしさは急務、という言葉が染みた。捨ててきた選択に存在している亡霊の話も。三茶で打ち上げ。入管法改悪案に関するデモは行けなかったけれど、SNSで行っている人たちの声を見ていた。

・2023.05.11

近所のおばあちゃんがやってる小さな花屋さん、「終了します、ありがとうございました」という張り紙がはってあったのに、張り紙が剥がれて普通に営業していた。うれしい。

・2023.05.10

ちょっとしたことで、つくづく熱狂には注意深くいたい、と思う。同時に、自分は何でこんなにも熱狂に対する怖さがあるんだろうと思う。戦時中に熱狂していた人々のことについてもよく考える。コロナ禍にも数々の熱狂が起きていた。もちろんいい「熱狂」も存在していて、ファン文化などはそれに近いと思うけれど、自分自身はわりとどのようなジャンルの熱狂に対しても入りきれず冷めた目を持って見てしまうところがあって、ときたま人に備わっているべき機能がないように感じて自分が寂しく感じるときもある。

なおみと夜ごはん。これまでの人生でHPVウイルスのこととか全然教えてもらわなかったのなんでなのまじで腹たつよな、という話をした。

・2023.05.09

あつことランチ。健康の話で盛り上がる。大学時代は毎日会っていたから、それに比べると会う頻度はだいぶ減ってしまったけれど、それでも話していると時間って超えるものだなと感じる。

Twitterで、好きな映画やライブを観てても少しだけ早く帰りたがっている自分がいる、という話を見かけて(すごくいいねがついていた)、わたしもそういうところがあるな…と思った。好きだという気持ちは嘘じゃなくて、でもそれより早く帰りたいとか思っている自分もいて、好きな気持ちの純度が低いのでは?と不安になる。

・2023.05.08

・2023.05.07

シャンタル・アケルマン映画祭にてゆめさんとトーク。ディエルマンとの長い時間を過ごした人たちのあとにトークするのはとっても緊張した。大切な作品にこうしたかたちで関われたのはうれしく胸がいっぱい…

アキオ誕生日。プロ仕様のかわいいエプロンをプレゼント。シェフ!と呼ぶ。誕生日だから今日はわたしがおいしい夕飯をつくろうと意気込んだけどあんまりうまくつくれず、かなしくて泣いたら「かなしみのシェフ」という名前がついた。

・2023.05.06

実家、お兄ちゃんの家族たちと過ごす。3人の子供たちと数時間過ごすだけでへとへと。子育てってほんとすごい。なにかのときに立ち寄りたくなるちょうどいい感じのおばさんになりたい。

・2023.05.05

水戸へ。いつもランチ何食べたらいいかわからず、駅前でオーソドックスな中華を食べる。水戸芸術館で『ケアリング/マザーフッド:「母」から「他者」のケアを考える現代美術―いつ・どこで・だれに・だれが・なぜ・どのように?―』。マーサ・ロスラー《キッチンの記号論》、ジャンヌ・ディエルマンと同時期だった。青木陵子さんの《三者面談で忘れてるNOTEBOOK》、地図を見ながら一つひとつたどる時間がよかった。素晴らしい作品が多くノートにたくさんメモする。最後に感想について付箋が貼られていて、そこに「母以外もケアしている人がたくさんいるのになんで女性だけ」といった書き込みがいくつかあったのが印象的だった。たしかにそうだろう、でもこれは母から考えるという企画であり、いかに母という存在によるケアが軽視されてきたか?ということをあらためて感じる機会になった。

・2023.05.04

川沿いのカフェへ。Beach FossilsやDIIVが流れていて、それが風が抜ける開かれた店の雰囲気とあっててすごくよかった。夏がくるね!そのあとショッピングモールにて中学の友達に偶然会う。万華鏡をつくっているそう。近くのやきとんやでごはん、店長が若い女性で、常連のようなおじさんからそれは性的な言葉だろうという内容を浴びさせられていて、淡々とやりすごすように対応していた。思わず口をはさみたくなるくらいひどかった。こういうときどうするのが正解なのかいまだにわからない。

帰り道に子供が「どうして月は近づいても大きくならないの?」と言っていた。

夜、『しんきらり』という漫画を読む、すごくよかった。ディエルマンとしんきらりに出てくる彼女が遠くで繋がっている感じがする。

・2023.05.03

鳥の声で目覚める。部屋でヨガをしていて、そのまま温泉。朝ごはんもちょこちょこ食べれてすごくよかった。散歩して、大正池のほうまで1時間くらい歩く歩く。歩く道のなかで何度も違う風景に出会える、だからハイキングってたのしいんだなあ。

バスと電車を乗り継いで松本へ。本当は会いたい人がいっぱいいたけれど、軽く夕飯を食べて帰ることに。どこも混んでいて全然入れなくて、穴場っぽい居酒屋へ。コシアブラやコゴミなどの山菜がすごくおいしかった。あずさでゆっくり帰宅。

・2023.05.02

上高地の旅へ!朝早起きしてバスで向かう。途中で諏訪湖を見たりして、遠足みたいでよかった。5時間くらいで到着。上高地は雪をかぶった迫力のある山と美しい色をした川のコントラストがすごくて、写真で見た以上だった。空気も気持ちよくて、車両制限してるからか人も多すぎず。コンビニとかは何もなくて、遊べる場所はないけど、この場所で自然をたのしもうとしてるひとだけいる感じがよかった。夕方散歩しようとして外に出たときの、人間よりも猿の方が多いあの光景が忘れられない。動物園の猿とは全然違った。そっとして立ち去った。夕飯もおいしくて、幸せ。さらにAlex Gの来日というれしいニュースで幸せで溢れた。

・2023.05.01

5月1日、今日はメーデーだから渋谷の街が労働組合によるデモ行進で溢れていた。最低賃金を守ろうという声。ミヤシタパークの横あたりで。その空間があまりにも資本主義の構造がそのまま目の前にあらわれてるみたいで、悔しくてすこし涙が出た。

上高地のためにゴアテックスの靴とジャンパーを買う。ずっと吟味してたからやっと買えてうれしい。最近は思いつきでぱっと買うよりも長く使えそうなものをじっくり考えてから買うようにしていて、買うときの喜び具合がかなり高いのでいいかんじ。古着は一期一会なので別だけれど。

うれしいお誘いのための準備をいろいろ重ねる。いつも自分で大丈夫なのか、という自信のなさがつきまとうけれどたくさん準備すればきっと大丈夫。