「自分が書かなければおそらく誰かが書く日記」/favorite websites

ふとしたときに思い出す、「自分が書かなければおそらく誰かが書く日記」のこと。

わたしがこのサイトのことを知ったのは、Tumblrで「プールの授業が終わったあとの国語の授業のときに開けてる窓から入ってくる風がいちばん好きな種類の風」といった文章を見かけて、その引用元をたどってたどり着いたのだった。

訪れた人が誰でも日記を書くことができるけれど、1日に1つの日記だけしか表示されない。訪れた人たちが自由に編集できるので、初めに書かれていたものは別の誰かによって改変されていく。日付が変わった瞬間に、二度と手を入れることのできない存在になる。さっきのプールの文章も、本当は元の文章を書いた人がいて、無断転載と改変が加わってこのサイトに載っていたらしい(鯨庭さんのツイート「文を改変と無断転載されて、詠み人知らずのままインターネットの海を漂うのはとても楽しかったです」)。無断転載や改変は多くの場合は問題を生み出すものだと思うけれど、ときにこういう例外もあるように思う。

このサイトに載っていた「どんな美しい言葉でさえも今という瞬間に存在する言葉を超えることはできないのです. たとえそれがどんなに汚い言葉でも例外はありません」という言葉が印象に残っている。匿名で、誰でも更新できるという仕組みだから、誰かの日常と誰かの日常が溶け合い、真実であるか嘘であるかも価値がなくなり、唯一たしかに刻まれるタイムスタンプだけがリアルなものとして残る気がして、そういうところが好きだった。

目立たない場所にそっと置かれたノートみたいに、ずっと残っていてほしいと思っていたけれど、あるとき終了することになってしまい、そこには「あなたがインターネットで見つけたであろう言葉はもうここにはありません 引用された言葉よりもたくさんの新しい言葉をご自身で生みだせますように」という言葉が残されていた。このサイトについて書いているこの方の文章も好きでした。

http://darekagakaku.herokuapp.com/

このコーナーではインターネット上にある/あった、特別にお気に入りのウェブサイトについて忘れないように記していきます。

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