Link Pack(7/13〜8/7)

・この間のme and youのニュースレターの日記にも書いたのだけれど、感染症が蔓延し、ワクチンも補償もされない中、オリンピックが開催されて、日々信じられないようなニュースが次々と目に飛び込んでくる。今この国で生きている、ということについてどう向き合っていくべきか日々考えあぐねている。声をあげるべきときにあげられる場所であげて、まわりの人と話す機会を増やすことからまずは始めようと思う。

・2013年、東京オリンピックが決まったとき、わたしは「そうなんだ」くらいしか感じてなかなかった。恥ずかしいことに。なにも考えずにぼんやり「東京オリンピックが開催される頃は32歳か、なにしてるんだろうね」なんて友達と話していたような気がする。社会で何が起きているか、政治についても関心を持てていなかったわたし一人の行動も何かしらのかたちで今に繋がっていると思う。無関心の怖さ。感染症が広がる最中で行われる今年の五輪、というだけではなく、五輪というもの自体が抱えている問題に関しては「五輪開幕の今こそ考えたい、スポーツにおけるセクシズム──井谷聡子×清水晶子【VOGUEと学ぶフェミニズム Vol.13(前編)】」の記事がとてもわかりやすかった。井谷さんが監訳をされている『オリンピックという名の虚構』も読み始めました。

「ワクチンを若い方も打っていただきたい」という小池知事の言葉。こんなにもいまの現状が見えていないのか、と唖然とする。忘れないために書いておきたいけれど、私は7月16日に接種券が届いたけれど、その段階ではもう既にすべての枠がいっぱいだった。その後、運良くキャンセル枠が見つかって8月末に予約ができたけれど、本当に運が良かったとしかいいようがない。何度も画面を見に行ってやっと、という感じだったし、大規模接種も一瞬で埋まってしまう。その後、中小企業が6社で運営している職域接種のことをTwitterで知り、ワクチンを一つも余らせないように声をかけていたようで、me and youのような小さな会社でも大丈夫だったので早く受けたかったからそちらで受けることにして、区の枠はキャンセルした。ほかに機会を求めている人に渡すためにも区の枠はあけたほうがいいと判断した。

わたしは運良く職域接種で早く受けることができたけれど、職域接種というのもそもそも格差を生んでしまっているなと感じたりもする。医療関係者やエッセンシャルワーカーなど早く接種すべき職種の人が職域接種を行うのはわかるけれど、大企業で勤めている人、あるいはそういった人と家族であったり、なにかしらの繋がりを持っているだけが先に打てて、繋がりを持たない人はワクチンが打てず、リスクに晒される時間が長くなるのはおかしな構図だなあと。どうなんだろう。ほしいほかの国がどのようにワクチンを行き渡らせているのか調べきれてないのだけれど、まったく統制がとれていないこの現実に悲しくなる。(また状況は刻々と変わっていると思うので現時点でのメモ)

・mmmさんの「とんぼ」は、今この東京を生きているということについて考えながら聴きたい曲。

・8月6日に小田急線内で起きた恐ろしい事件。たまたま事件が起こる1時間前に小田急線に乗っていたため「もしかしたら自分も刺されていたかも」という気持ちになった。そういうふうに感じた人はきっと多いはず。仕事中に親から何度も電話がかかってきて事件を知って、逃走中だということで気が動転してしまった。

その後犯人が見つかったということがわかって少し安心したけれど、電車に乗るきにはなれずタクシーで帰って、翌朝目覚めたら「幸せそうな女性を見ると殺したいと思うようになった」とフェミサイドだということがわかってすごくつらい気持ちになった。

これで女性たちが「幸せそうな女性」だと思われないようにしたり、女性だからといって必要以上に気をつけて電車に乗らなくてはいけなくなったりすることは確実におかしい。既にこんなにも危険な目にあわないように、生活の中で必要以上に気をつけているのに。加害者の供述を見ても、小さな性差別をそのままにしておくと、積もり積もってこんな悲惨な事件になってしまうこともあるのだと感じて、社会が本当に変わっていかなくてはいけないよなと思った。「殺人をするような人は異常者だから」とそこで話を終わらせることはできない。殺されはしていないけれど、「支配欲」を感じることや、そしてそれに抗うと危険な目にあってしまいそうなことには覚えがある女性は多いと思う。だから多くの女性たちがこの事件に対して声をあげている。レベッカ・ソルニットの『説教したがる男たち』に収録されている、「長すぎる戦い」という文章のことを思い出した。暴力の前提には「私には、お前をコントロールする権利がある」という独裁主義があるということ。これが極端になると殺人に及ぶことがあると考えると、あきらかに繋がっている。

一方でもちろん、女性である自分自身もなにか差別性を持っていないか、常に注意深く見ていかないといけないと思う。それに一部で極端に「女性vs男性」の構造にして煽る感じもあるけれど、それも新たな差別を生む。「わたしは絶対にそんなことはしないから」と信じ込むことは絶対に避けたい。この事件を通じてさまざまなことを考えたし、いまも頭のなかの大半を占めている状態。まだわからない部分も多いし、今後も追っていきたいです。なにより被害者の方の怪我が良くなり、その場に居合わせた方の心の傷が癒やされますように。

この事件のことを考えるときに韓国で起きた江南駅殺人事件のことが浮かんだので「韓国の女性たちが「声を上げ、生き方を変え始めた」理由」を読み直した。フェミサイドについては、HUFFPOSTの「日本の殺人事件での死亡者は、女性が男性を上回る。「フェミサイド」の実態は?」という記事、The HEADLINEのフェミサイドについて、刑事司法制度や各国の状況などについて丁寧にまとめられた記事が参考になりました。

コミックナタリーで『バクちゃん』の増村十七さんと『ベルリンうわの空』の香山哲さんの対談!どちらも移民についてや異なる人たちと思いやりを持って生きることについて考えるきっかけを与えてくれる大好きな漫画。

付き合っている相手が同じ男性だったということがわかった3人の女性たちが古いスクールバスを改装して共に旅に出る、という物語みたいな本当の話。最高。

Ms.MachineのSAIさんによる野中モモさんのインタビュー、「対話」という感じがしてすごくよかった。モモさんの「世の中は放っておくと富める者がより富む流れに乗ってしまうものなので、そこにちょっとした小石を投げ入れて、ノイズを起こすようなことをしてほしいですね」という言葉も、本当にそうだなあと思う。

猫によるビデオボムまとめ。かわいい…

・Rookieの「夏の楽しみのためのガイド」も大好きだけれど、VICEに載っていた「もし夏が嫌いでも最高の夏を過ごす方法」も良かった。

・お気に入りのブランドkkCoのアンチブライダルコレクション「CEREMONY,」のコンセプトいいなあ。いつだってセレモニーをしていきたいので一着買って特別な日に着ていきたい。

羽佐田瑶子さんのアイドル・フェミニズムにまつわる連載がスタート。気になる分野、第一回目は研究者・高橋幸さんへのインタビュー。2ページ目の「問題なのは、アイドルの主体性を利用して、アイドルを食いつぶしていくような搾取システムである」という話について、頭の中ですごく整理される感覚があった。

「『ゴーストワールド』キレイな世界の裏にある、押し殺された感情たち」読んで、久しぶりにゴーストワールド見たくなった。大好きな映画!

・女性旅行者コミュニティのFemmeBnBというものがあるのをはじめて知った。WIREDによると女性の旅行体験を向上させるための民泊仲介サービスと、旅行者と宿のホストをつなぐコミュニティ機能を持つとのことで、すでに60カ国・4,000人以上の登録者を集めているそう。検索してみたところ、日本はまだなさそう?このサービスは絶対に心強いだろうなと思った。女性が普通に旅をして宿泊してもまったく危険な思いをしないような日が訪れてほしいな。

・編み物一年生なのですが、夏っぽい丸いバッグができた。かわいくって持ち歩きたいんだけど、このくらいの大きさのバッグを持ってどこかに行く用事がなくってかなしい。

・7月は映画館で映画をたくさん観れた月。エリザ・ヒットマン監督の『17歳の瞳に映る世界』、横浜シネマリンでずっと観たかったシャンタル・アケルマン監督の『ブリュッセル1080, コメルス河畔通り23番地, ジャンヌ・ディエルマン』、イメージフォーラムでケリー・ライカートの『ミークス・カットオフ』『リバー・オブ・グラス』『ウェンディ&ルーシー』。どれも自分にとって大切な映画になりました。

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